管理会計と予算立案プロセス

会計の中には「管理会計」と「財務会計」の2種類があります。

管理会計とは?

「管理会計」は企業内部のステークスホルダー間に経営管理に役立つ会計情報を提供することを目的とします。特に、企業内部の経営管理者が経営の舵取りを如何に進めるかを決定するうえで非常に重要です。要するに、管理会計とは企業活動を円滑に進めるために必要となる会計のことであり、その情報はもっぱら「社内」で用います。つまり、管理会計には厳格なルールや制限はなく、会社ごとに「経営者が見たい会計情報」を独自の形式で纏めます。

<管理会計のデータを基にして作成される資料>

・事業計画書
・取締役会用の資料
・中期経営計画書など

財務会計とは?

株主を始め、債権者、取引先、そして仕入先等の外部関係者が会社の会計情報を知る手掛かりとなるPL・BS・キャッシュフローなどの財務諸表を作成し、開示することを「財務会計」と言います。財務会計は外部報告の目的で作成される為、一定の日本国や国際ルールに準じ、会計の処理と報告をする点に意義があります。

財務会計と管理会計の違いの纏め

「財務会計」が企業外のステークスホルダーに対して、会社の情報をPL・BS・キャッシュフローなどの財務諸表を作成し、会社の経営状態を知ってもらう物です。会社間で比較できるように作成にはルールがあります。一方、「管理会計」は企業内部、特に経営者が自社の舵取りに使用する目的で作成するものです。これは外部に報告するためのものではありません。

また、「財務会計」が過去の経営の結果を示すものであることに対して、「管理会計」は日々の経営の意思決定に使われるという意味で、未来に向けたものであると言えます。

管理会計の予算立案プロセス例

毎年年度初めに編成される予算こそ、管理会計の最も身近な実践例となります。

順序 プロセス 内容
各部門の予算案作成 各部門で、経営戦略・中長期計画・単年度計画に基づいた予算案を積み上げで作成
各部門予算を集計 部門ごとに作成した予算を会社全体で集計
全体最適化 目標達成度や予測財務諸表との整合性をとり予算の組みなおし
予算確定 計画へ落とし込み微調整を行い、最終予算を確定

予算編成後は、進捗を確認するために定期的に実績を収集し、問題があればアクションを起こしたり、予算見直しを行います。※ロングフォーキャスト(中長期予測)という考え方も登場

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